ERECT Magazine #005 Release Party(2015.12.23)への出演や、本誌アートディレクター河村康輔が1stフルアルバム「MAMA」のビジュアルを担当、本誌編集長 福田亮による2ndアルバム『THROUGH THE MIRROR』のタイトル曲MVのディレクションなど縁のあったENDONが、9/5よりBLACK SMOKER RECORDSから「BOY MEETS GIRL」をリリースします。
エクストリーム・ミュージックの決定的な更新を目論む
東京のクインテット、ENDON!
過去に数多試みられた転化・拡張・融合とは異なる方法論を用い、粒子に粉砕されたロックの聖骸=ノイズを陶酔的衝動の下に結晶化・リヴァイヴァル(再臨)させ、喇叭を吹かんと目論む東京のクインテットENDON。その新たな研究報告書は2017年次の報告以上に簡潔な単語の組み合わせで記されているが、文脈が文字通り脈動しているとすれば心拍の計測には非常な困難が伴う。原初のブルーズを敬愛する宮部幸宜のギターは名手を隠さず、愛甲太郎、那倉悦生のエレクトロニクス、サンプルワークはケネス・アンガーや晩年のデレク・ジャーマンを思わせる。横田 慎のドラムに至っては、軽やかなイーヴンキックをも聴かせてしまう。総じて表面的には(Link Wray、MC5、HAWKWIND、THE DAMNEDからANTI CIMEX、BLACK FLAG、NURSE WITH WOUND、John Carpenterまで内包した、現時点においての)トラッドですらあると言えよう。そこへ、ヴォーカライゼーションの行き過ぎた抽象化でENDONという計画の意味性を担ってきた那倉太一の声が、言語の獲得によって事態をさらにややこしくしている。もはやロックバンドの“フォーム”ではなく、ロックバンドそのものが実体化されてしまう。それはある種ENDONにとってのアイデンティティ・クライシスだろう。同時に、誰しもの琴線に触れる可能性でもある。だがENDONはスティル・サイコだ。この不穏なサウンド・ノワールは決して貴方のために書かれてはいないが、情報量でクロックアップした気になっている貴方のハート印の脳を確実にオーヴァーロードさせる。新人類よ永遠なれ、と呟く日へのカウントを進めるに違いない。(久保田千史)
ENDONを今、聴き終えて、私は陶酔してハッピーである。ENDONの新譜を聴く栄誉、それはノイズ、グラインド、フリー、スラッジ、ブラスト・ビート、コミック・ジャズ、インダストリアルまで往来するフュージョンである。時として私は90年代に居るかの様に思えたが、同じトラックの中に全てがある!全く持ってイカレたスピーカー・シュレッダーだ!!!そしてヤング・ゴッズの1st LP以来の最高の教会の鐘の音だ!!!それは東洋文明の衰退である。 ーラッセル・ハズウェル
打ちのめされた新星たちが、8つの究極原理として、覚醒する。これらは、亡霊たちが我々の夢を食い尽くすその前に、どれだけ深く、死の淵の奥底へと至ることができるだろうか?水疱にまみれた貴族どもが、くだらない野卑な暗喩を、すでに失われた共感覚の輝かしい形象へと書き換える。色彩は腐ったワインの舌触りを表現するーー神がお前の感覚を支配する能力を失っている間は。技術者としての魂の中に開かれた窓を覆い隠してしまえば、反逆の寵児たちは母なる日本に対する偉大なる拒絶を、祈るように欲することしかできないのだ。強大な破滅的情動が、緻密な音楽的萎縮の上に君臨し、美それ自体が悪夢めいた交響曲の万華鏡の中で絶叫している。爆発的ノイズ、電気的弦楽器、これらへの侵害を許したかつての契約は、常に破棄され続ける。このENDONの新たな音源で自分自身の中に溺れる前に、お前の精神の中に存在するならず者を、落ち着き払った呪詛の中にせいぜい覆い隠しておくといい。少年は少女と出会う ードゥイド・ヘリオン(Integrity)
ENDON
エクストリーム・ミュージックの決定的な更新を目論み結成、2007年現行のヴォーカル/ギター/ドラム/ノイズx2体制に。ギター/ドラムのソリッドな演奏を機軸に、ハードコアやブラック・メタル的意匠をまといノイズで空間を埋め尽くすサウンドは、シーンの最先鋭として知られる。1stアルバム『MAMA』発表以降、バンド/ノイズ界は勿論、クラブ・カルチャーからストリート・シーンまで横断して活動。海外でのライヴ活動も積極的に行い、2016年は2度の北米ツアーを実施した。2017年春にKurt Ballou(CONVERGE)によるUS録音の2ndアルバム『THROUGH THE MIRROR』を発表。同年秋のBoris北米ツアー全行程に帯同した際のあまりに強烈なインパクトも手伝い、各国複数メディアにて激賞され、2017年間ベスト・リストにも数多く名を連ねている。
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